「いまさら聞けない」建築と土木、建設の違いとは?
建築、土木、そして建造や建設といったコトバは、かなり混在して使われているので、最初はちょっと戸惑う人もいるのは?そこで、一度それぞれの仕事の違いを含めておさらいしてみましょう。
そもそも「建築」「建設」「土木」とは何でしょう?
国語辞典でまず「建築」を調べると「家屋などの建物を、土台からつくり上げること。また、その建物やその技術・技法」とあります。これだと家や建物全般やそのつくり方を指しているように感じますね。では法律的にはどうなっているのでしょうか?
建築基準法では、いろんな建物のことを「建築物(けんちくぶつ)」と呼びます。建築物はさまざまな用途によって分類されて、住宅をはじめ映画館や工場、学校、飲食店などをいいます。つまり法的にはあらゆる建物のことを「建築」と考えてよいでしょう。
一方、「建設」です。これも辞書では「 建物・施設・道路などを、新たに造ること」とあります。あれっ?道路が出てきましたね。じつは道路や橋、ダム、堤防や鉄道は、「土木」とよばれるもの。ですから建設とは建築と土木をまとめたコトバといえるのです。
つまり「建設」のくくりのなかに建築も土木も含まれているワケですね。でも、たとえば建築でも基礎部分は「土木」と呼ばれることも……。定義はあいまいなところもありますが、建物や道路などの構造物の総称として「建設」が使われていると考えてよいでしょう。
では「建設業界」とは、どんなところなのでしょうか?
「建設業法」という法律では建築工事業、土木工事業、電気工事業、舗装工事業、などと細かく業種が分類されています。街を歩いていると「○○工務店」といった看板をよく見かけることがあるでしょう。
ふつうは戸建住宅などを請け負う業者を工務店と呼びますが、建設業の代表的業種のひとつ。工務店の中には「ゼネコン」と呼ばれる建築と土木を両方請け負う会社もあります。ゼネコンは「総合建築業」と呼ばれ建築も土木も行います。
また、「スーパーゼネコン」と呼ばれる著名な大手建設会社(大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店の5社)もあるので覚えておくとよいでしょう。大手の建設会社では道路や地盤の設計・工事から建物づくりまで総合的に建築・土木=「建設」に関わっています。
建築・土木を総合的に行う業種のほかに、分業で仕事をすることも……。建築を例にいうと「建築設計事務所」の建築士が設計(デザイン)を行う職種。工事は施工業者とも呼ばれる工務店が一括して行うという、分業制がとられることが一般的です。
ほかにも、建設関連の業種としては土木専門の設計事務所や工事会社、ハウスメーカーと呼ばれる商品化された住宅を設計・施工・販売する会社、これらに必要な材料や設備機械などを専門につくる会社もあります。「建設」といっても、いろんな業種があるんですね。
最後に
さまざまなお仕事が「建設業界」にはあって、総合的な大組織だったり、専門的に分業化されている場合があることがわかったでしょうか? でも、ひとついえることは建設業と呼ばれる業種は、なんらかの形でみんな「住まい」や「街づくり」にかかわっていること。そして基本は計画や設計という業務で「図面」は不可欠なので建設業界でCADは大活躍! 建設系のCADオペレーターの仕事は、どんな案件でも街づくりや景観を担っている、とても重要でやりがいのあるお仕事なのです。