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CADの種類とCADの互換性についてまとめてみた件

CADの種類とCADの互換性についてまとめてみた件
ここがポイント!

CADオペレーターを目指している人は、まず「CADソフトってフリーのものや高いものまでいろいろあるけどどう違うの?」という疑問をもたれることでしょう。そこで、建設・機械系の一般的なソフトを中心に、互換性、データのやり取りなどの初歩的なお話をします。

建設系で使われる主なCADソフトの種類と特徴

CADオペレーターの求人情報に「使用ソフトはJw_cadです」とか「AutoCADが使える方、歓迎」といった文字をみたことがあるのではないでしょうか? 「CADっていろんなものがあって、むずかしそう」と思うのもムリのない話ですね。

そこで、建設系でよく使われる代表的なソフトを紹介します。Jw_cad(ジェイダブリューキャド)、AutoCAD(オートキャド)、Vectorworks(ベクターワークス)の3つ。これ以外にも、さまざまなソフトがありますが、ポピュラーのものをカンタンに説明します。

Jw_cad

建設現場などで飛び交う「JW」という言葉は建設系CADの代名詞のようになっています。1990年代初頭から建築士さんたちが協力して開発し完成させた2次元(2D)CADソフト。おおきな特徴は「フリーソフトウェア」(無料)であることで自由にダウンロードできます。使っている人が多いので、インターネットなどでも技術的な情報を得やすいことも利点のひとつです。

⇒ 公式サイト:www.jwcad.net

AutoCAD

こちらも、よく見かける名前ですね。使い方が限定されていない汎用CADとして30年以上前に発表されたソフトです。Jw_cadが2D、つまり平面の紙に描くような図面なのに対してAutoCADは3D=3次元に対応しているので、建物の完成図を立体的に表現することができます。建設系はもちろんプロダクトデザインなどでも広く使われています。

⇒ 公式サイト:www.autodesk.co.jp

Vectorworks

アメリカで開発された汎用ソフトです。デザイン性の高い作品をつくる建築家やインテリアデザイナーが多く使っていて、ちょっぴりオシャレな印象もあります。これはデザイナーの多くがMacユーザーで、かつてVectorworksはMac版しかなかったことが影響しているのかもしれません。いまではWindows版もありデータベース管理や表計算もできます。

⇒ 公式サイト:www.aanda.co.jp

そのほかのCADソフトと、それぞれの互換性は?

ここまで紹介したソフト以外でもAutodesk(オートデスク)という老舗のCADソフトは、建築に限らずデザインや設計、映像などの専門学校などの教育機関で使われていることが多いようです。学生向けの無償ライセンス提供も行っているので確認してみてくださいね。

また中学の技術・家庭科でもCADを使った授業が行われているがあるそう。2Dはもちろん3Dのソフトを導入しているところもあるとは、ちょっと驚きですよね! そして工業高校の建築・機械系のカリキュラムでは、かなり前からCADが導入されています。

「中学生や高校生でもCADを使ってるんだ。私はちょっと出遅れちゃったかなぁ?」と思った人も安心してください。自治体が”職業訓練”として無料のコースを実施しています。東京都なら都立職業能力開発センターのサイト『TOKYOはたらくネット』をチェックしてみてくださいね。

⇒ TOKYOはたらくネット CAD製図科:hataraku.metro.tokyo.jp

 

建築・デザイン系のソフト以外に、よりプロ向けの機械設計では、フランスのダッソー・システムズという会社のCATIA(キャティア)、SolidWorks(ソリッドワークス)が使われることが多いようです。これらは自動車デザインなどの世界標準3Dソフトで、建設系ではあまり使われませんが知識として覚えていてもよいでしょう。

ここまで読んだ人は「でも、しくみはぜんぶ違うんでしょ?」と思ったハズ。そのとおりです。たとえば、事務系のお仕事でWordやExcelなどをメール添付で取引先などに送ったとき、先方から「ファイルが開かないのですが…」「文字化けしてるんだけど…」などと言われた経験がないでしょうか?

そんなとき「テキストファイルで送って」といわれて、Windowsなら「メモ帳」を使って拡張子を「.txt」で送ったりしますよね。

CADデータでも同じで、違うソフトを使っていても拡張子を「.dxf」にすれば、ほとんどのCADソフトと互換できます。またAutoCADの拡張子「.dwg」もいまではかなり、いろんなソフトと互換性が高いとされています。

それでも「原因不明でデータひらけない」といったことは、CADに限らずPCを使った作業につきものですよね。とくに外部の人たちとデータのやり取りをするときは、先方の環境を確認することは、CADに限らず皆が自然と身につけているマナーといえるでしょう。

最後に

ここまで、主なCADソフトの種類を中心に、少し互換性についてもお話しました。CADオペレーターでなくても、たとえば、Adobe社の「Illustrator(イラストレーター)」を使って絵を描いたり、グラフィックデザインをしている人も多いかと思います。IllustratorもCADや3DCGソフトと互換性があるので、立体物をデザインするときに使えますし、Illustratorは「.dxf」と「.dwg」が読み込めます。

このように、いま、多くのソフトには、いろいろなデータに対応する機能(プラグイン)がついていることもあるのでCADソフトの使い方やテータの互換性は、さらにひろがっていきそうです。

Office系のソフトなどと同じようにCADもオープンソースソフトウェア(※)化が進んでいてここでは紹介しきれないほど膨大な数があります。ですので、最初は代表的なソフトで練習して徐々にいろいろなソフトに挑戦していくのがベスト。

有名な有償ソフトでも、たとえばAutoCADではレギュラー版以外に、機能をある程度おさえて低価格の「LT版」というものがあります。また、お試し期間は無料で使える体験版を提供しているメーカーもあるので、高価なシステムを購入する前に検討してみることもアリです。

ひとつのソフトをマスターすれば基本操作は共通する部分が多いので、たとえ、派遣就業先のソフトが自社開発のオリジナルCADソフトであったとしても感覚的にオペレートできるようになるでしょう。

 

※オープンソースソフトウェア – ソフトウェアのソースコードが無償で公開され、改良や再配布を行うことが誰に対しても許可されているソフトウェアのこと

この記事を書いた人
CADカフェ編集部

きゃどかふぇへんしゅうぶ

CADカフェ編集部

CADを使ってお仕事をされている皆さんへ、お役立ち情報をお届けしています。株式会社アペックスが運営。

(文:喜入時生 イラスト:織田博子)

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